チャーシュー(煮豚)について知っていること

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部位

豚バラか豚肩ロースが多い。

f:id:haru067:20200704175903j:plain 豚肩ロースは赤身が多い。肩ロースとロースは別物なので注意。

f:id:haru067:20200704175846j:plain 豚バラは三枚肉とも呼ばれ、層のように赤身と脂身が別れている。

f:id:haru067:20200704175852j:plain これを巻くことで「の」の形をした、見慣れたチャーシューになる。

購入

国産が100g 200~300円ぐらい。外国産だと半額ぐらいになる。コスパで言えば外国産だが、スーパーではあんまり見かけない気がする。 豚バラは商品によって赤身の割合が大きく異なるので、よく見て買う必要がある。脂だらけのものを選ぶと結構悲惨なことになる。

選び方に関しては以下の3点に気を付けると良いらしい。

  • 赤身にツヤ(光沢感)がある
  • 脂身が白い(黄ばんでいない)
  • ドリップが出ていない

www.olive-hitomawashi.com

調理法

基本的には煮るか(煮豚)、焼くか(焼豚)である。(この記事では焼豚については言及しない。)レシピによっては煮る前に焼くものもあるが、これはメイラード反応により色と香ばしさを出すためと思われる。

加熱

豚肉を加熱する上で重要なのはアクチン、コラーゲンの二つである。

  • アクチンは65度前後で変性する。変性しないよう65度以下で加熱すればジューシーに仕上がる。
  • コラーゲンは加熱によりゼラチン化し、柔らかくなる。ただし、コラーゲンはアクチンより反応が鈍く、高温で加熱する必要がある。

前者のアクチンが変性しないように加熱したのがいわゆる低温調理チャーシューで、後者のゼラチン化を狙って弱火で煮込むのが普通の(?)チャーシューである。

低温調理チャーシュー

変性を防いで肉の水分量を保ちつつ、安全に食べられるギリギリの温度を攻めるのが低温調理チャーシューである。 殺菌は肉の中心を63度で30分以上加熱すると良いとされている。 表面の温度ではなく肉の中心なので、分厚い肉ほど中心に熱が通るまで時間がかかる。「63度で7時間」のようなレシピが多いのはそういう理由である。 また、「63度30分」と同等の加熱であれば問題ないため、例えば65度であれば、より短い加熱時間で問題無いし、70度ならさらに短い時間で問題ない、ということになる。

www.mhlw.go.jp

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/150602hp.pdf

じっくり煮るチャーシュー

コラーゲンのゼラチン化は70-80度で活発になるらしい。当然温度が高すぎても肉の水分が失われてしまうので、角煮のように弱火でじっくりと加熱するのが良いと思われる。

www.jmi.or.jp

見栄え

色はミオグロビンが影響しており、75度前後で変性するらしい。見た目を気にするならこの辺りも考慮すべきだろう。

www.jmi.or.jp]

一緒に煮込むもの

ネギの青い部分やニンニク、生姜などは臭み消しとして使われ、砂糖や酢といった調味料は肉の保水力向上に使われる。豚肉の保水力はpH5付近が最低で、酸性もしくはアルカリ性の液体に漬けることで肉の保水力が向上するらしい。

www.takarashuzo.co.jp

タレ

よく見るのは次の2パターン。

  • タレに漬けて一緒に煮込む
  • お湯(スープ)で煮込んでから、タレに漬けて冷やす

前者のほうが調理が楽だが、後者には流れ出た豚のエキスをそのままスープに流用できる利点がある。

タレの材料は醤油をベースにみりん、酒を入れるのをよく見かける。醤油は火入れをすると角が取れて味が優しくなる。甘いのが好きなら砂糖を入れる。ニンニクは入れれば入れただけうまくなる。生姜でもいいはず。 醤油が多いとしょっぱくなりがちなので、水を入れて塩分濃度を調整するパターンもあるようだ。